社会人博士:入学からもうすぐ4か月

 

メダルラッシュに沸いた1日にこんにちは。4連休の終わりを認めたくなくてなかなか寝られません。

ブログ慣れしていないもので、間が空いてしまいました。ちゃんとしたもの書こうとすると筆が止まるので、メモのように書き留めていって、あとで気が向いたら仕立て直すスタンスで書いていくことにしました。

ということで、これまでの社会人学生生活をつらつらと述べていきます。

何をしていたのか

研究

研究というより、結構ずっと勉強していました。

私は10月に入学できるタイミングの入試を受けたのですが、あえてその半年後の4月入学を選択しています。情報工学や数学の基本的な知識があまりに薄く、少しでも身につけてから研究活動に入りたいと考えていたためです。この期間を利用して自分なりに準備をしたものの当然十分とは言えず、研究を始めようとするたび次から次へと「わからない」にぶち当たります。ひとつひとつ基礎からつぶしていてはキリがないですし、焦る気持ちも当然ありますが、「博士課程は長期戦」と自分に言い聞かせなるべく落ち着いて勉強していました。

実は、入試の際に作成した研究計画からは若干異なる研究に携わることになりそうです。倫理審査や必要な研修等々を済ませ、対象のデータにようやく触れるようになったタイミングですので、ここから本格的に研究活動を始められるかなといった具合です。

授業

社会人になり、独学のつらさが身に染みていますので、教えてもらえることの有り難さをひしひしと感じています。楽しいです。あれもこれも受けたいという気持ちになります。

そして何をおいても、全てオンラインなのが最高です。最高です。これからもずーっとこれがいいです。平時なら社会人学生は土日や平日夜遅くの限られた授業しか選択できなかった筈ですが、今は純粋に受けたい授業を選んで受けられています。その時間だけ業務を抜け出すことも、リモートワークならあら簡単。

このままなら来年も再来年も何でも好きな授業を受けられるのに……オンライン授業を継続して欲しいと真剣に訴えたいです。誰に言えばいいのでしょう。

あと授業に関して言うと、知り合いもいないし、就活も無いため成績が良くなくても困らないので、とても気楽に受けられています。質問も躊躇なくできます。

入学したての頃

じぇねらるなこと

  • 学生証を受け取りに行ったり
  • 通学証明書を発行しに行ったり(結局元が取れず定期券は払い戻しましたが…)
  • 諸々のアカウントをセットアップしたり
  • オンライン授業の準備をしたり

なんだかんだとやることがありました。コロナ禍でオンライン化が一気に進んだこともあり、近頃の大学生はこういうこと自分でやっているのだなあ、本当にえらいなあと勝手に思いを馳せたりしていました。大学入学時の私がこんな諸々を一人でできたとは到底思えないですね。

研究室のこと

  • PCやモニターを買ってもらったり
  • 自分の席を確保したり(ちょこちょこ登校して「私の席必要です!」アピール)
  • 必要な研修やセミナーがないか聞いて回ったり

していました。顔を出す頻度がどうしても低いので、少ない時間で効率よく環境を整えなければならないこともあり、遠慮なくリクエストをするようにしています。また研究室にまつわる全ての情報がなかなか入ってこなかったりするので、登校したときには同じラボの学生さんを捕まえて、何してるの?何してるの?と絡みまくっています。とてもかわいそうですが私も必死です。笑

社会人博士になったことで、遠慮なく人に要望を伝える勇気や図太さを学びました。(もしかしたらこれが一番大きいかも。。。)

考えていること

  • 目の前のことに精一杯になると、なぜこの環境に飛び込んだのか忘れそうになることがあります。もちろん一言で言えば「研究したかったから」に尽きるのですが、考えていたことはもっともっと沢山ありました。どこかにメモしておこうと思うなどするのです(このブログを活用するべきなのでしょう)。
  • 学生の頃とは全然違う心持ちで学生をできています。学び直しがポジティブに捉えられる時代になりつつありますがまだそう多くはない経験なので、掛け替えのない時間を過ごしてしているなあと無性に感動することがあります。
  • つらいことも不安なこともあります。が、偶然通りかかる幸運をつかむ準備なのだと思ってぐっとこらえていきたいところです。
  • 優秀な人と自分を比べてしまいがちです。自分は自分と思う訓練が必要です。
  • わからないことをわからないと言える知性が欲しいのですが、まだまだ虚勢を張ってしまいます。

体調

波があります。

絶好調!私ならやれる!がんばってえらい!すごい!と思っている期間もまあまああります(5月はこの状態でした)。が、いったん体調を崩し始めると、本を読んでいても頭がふわふわしたり、あまり食べられなかったり、自分大丈夫かな?と思うことがあります。元々精神面はあまり強くなく、プレッシャーに弱いです。完璧主義は自認しませんが、なんでしょう、失敗することが怖いのです。

言うまでもなく、健康が最優先です。身体を壊してしまっては今後の楽しいことや達成したいことに、指先も触れないまま道が閉ざされることになってしまいます。

「何がそんなに不安なの?」と落ち着いて分解してみます。

  • 研究内容が見えていなくて不安
  • 実力が足りないのではないかと不安
  • 自分のしていることが正しいか分からなくて不安

一個一個潰しつつ、あとは健康的な生活で自律神経を整えていきたいと思います。7時間睡眠!

これから

本や論文を読むことが中心の生活が続いたので、ちゃんと手を動かして研究を始めていきます。「正しい問題を設定すること」を胸に刻みつつ、思考と試行をしっかり行っていきたいと思います。

 

えいえいおー!

 

 

 

 

 

院試合格までにやったこと(情報系・社会人博士)

 

2020年8月に大学院を受験しました。

その後、院試までにやったことをまとめようまとめようと思いつつ、2021年4月を迎え、めでたく入学してしまったところです。覚えているぎりぎりのタイミングということで、書けることを書いてみようと思います。

進学するか悩みに悩んだことは過去の記事にまとめました。

mritsm.hatenablog.com

今回は進学に向けて動いたことをなるべく具体的に振り返ってみます。うまく時系列に並べられず、話があちこち行きますがご容赦ください。

 

進学先は?

身元を明らかにする決意がまだできていませんのでぼかします。。ゆくゆくは実名でやりたい気持ちがあるんですけどね。リスクをまだ十分に評価できていません。

  • 首都圏の大学院(修士号取得の大学と違うところ)
  • 情報系の研究科
  • 社会人博士

 

やったこと1:研究室見学

進学を意識し始めた2018年頃から、大学院説明会にはちょこちょこと参加していました。当時はまだ専攻すら決められていなかったので、分野を絞らず目についた説明会に参加していました。

大体の大学院説明会には研究室見学の時間がついているので、都度気になったところを訪問しました。毎回質問していたのは下記のあたりです。

  1. 社会人博士を受け入れてくれますか
  2. 通学の頻度は最低でどのくらいですか
  3. 卒業要件(必要な論文数など)はどのようなものですか
  4. 学生は何人いますか・博士課程の学生はいますか
  5. 研究テーマはどのように決めていますか

残念ながら1.ですぐに断られたこともありました。まあそうですよね。

年に数回説明会に参加しつつ専攻する分野を考え、結果的には修士までの分野に戻ることに決めました。その後もふらふらとリサーチしていたところ或る研究室が目に留まりました。「いつか見学をお願いしよう」とのんびり構えたのも束の間、コロナパンデミックが訪れるのです。2020年2月、焦って教授に連絡を取り見学に訪れました。図らずも時世が背中を押してくれたという状況です。

研究内容と環境と教授の人柄に惹かれ、ようやく私の受験準備が幕を開けたのでした。

 

やったこと2:受験勉強を始める前の調査

すぐ勉強を始めれば良かったんですけど、8月の受験までに本当に間に合うのかなーとか社会人博士なんて無茶なのかなーとうじうじ迷っていたので、いろいろ調査するのに時間をかけてしまいました。

「社会人 博士 大変」「社会人 博士 つらい」と弱気すぎる検索ワードを打ち込み、ひたすら先人たちのブログを漁り読み込む日々。多くの方の体験談がまとめられていて、本当に有り難かったです。。。

偉大な先輩方のブログ(載せ切れませんので特にお世話になった記事)↓

gingi99.hatenablog.com

note.com

 

情報系で大学院を受験するということで、勉強についても何から手をつけていいか全くわからなかったので、こちらも同様にものすごい検索してブログを読み込みました。一人ひとりにお礼を言って回りたいくらいです。

先人の皆さまの経験を元に参考書を集め始めました。

 

やったこと3:研究計画書の作成

4月も終わるという頃。買い集めた参考書で少しずつ勉強を始めていたものの、本当に受験するかまだ迷っていました。でも6月の出願期間はどんどん近づいてくる……研究計画とかそろそろ作らないとまずいのでは……でもこのコロナ禍で受験・進学って……と迷いに迷いに迷っていました。

もうこれは教授に聞いちゃおう、と、教授にメールを送ってみました。無理なら断ってもらえるはず。ですがその返事はとても暖かいもので、私が受験を即決意するのに十分でした。もっと早く相談したら良かったです。「計画を急いで作らないといけませんね。下書きを作って送ってください」とのお達しで、ついに計画作成に取り掛かるのでした。

ドラフトを送る、コメントをもらう、というやり取りを3往復くらいしたでしょうか。先生も多忙なのに申し訳ない……と思いつつ、""社会人博士として二足の草鞋を履く人間たるもの、遠慮したらいかん"" と謎の勇気が湧き、厚かましくも繰り返し確認をお願いしました。提出直前まで丁寧に対応いただき、本当に有り難かったです。

A4用紙4枚分。なんとか間に合いました。

 

やったこと4:受験勉強

私の受験した大学院では、科目は次の2つに分かれていました。

仕事柄、統計学はよく勉強していたので、記憶から抹消されていた線形代数解析学に取り掛かりました。本当に何も分からなくて唖然としましたが、勉強してみるとまあ面白い。頬杖ついてぼーっと授業を聞いていた大学生時代の自分を引っ叩きたいなどと考えながら、なかなか楽しく勉強しました。

(ところが数学に関しては6月頃、リモート院試を実施する都合で「受験科目から外します」とアナウンスがあり、これまた唖然とするのでした。)

専門科目はさらに重いものでした。ただでさえ私は情報系学科の出身ではないので、0からの独学です。長くなってしまうのでここでは「すごいがんばりました」の一言に留めたいと思います。勉強に使った参考書も紹介したいので、いつか別の記事にしようと思います。

働きながらの勉強時間の確保は難しかったですが、""受験勉強もできないなら研究はもっとできないはず"" と自分に言い聞かせて直走りました。

 

やったこと5:TOEFL受験

6月までにTOEFL iBTの結果が大学に到着しなければいけないと。そしてTOEFL受験経験のない私は知りませんでしたが、受験から公式スコアレポートが届くまで1か月以上もかかるというではありませんか。

3月頃、まだ院試受験を決意し切れていなかったものの、TOEFL予約に取り掛かりました。多くの方がご存知のことかも知れませんが、まあ予約の取れないこと。焦りましたがなんとか遠方会場の予約をねじ込みました。でも1回しか受験できない…初受験でスコア提出なんて絶対にまずい…と思っていた矢先のことです。

感染症拡大の影響を鑑みて、TOEFLスコアレポートは8月まで受付をします」

とのアナウンスが大学からありました。救われました。

無事に2回受験することができました。スコアもこっそり書いておきますが、1回目が66点、2回目が79点でした。2回受けられて本当に良かった。

 

やったこと6:研究室所属の方とお話

今回の受験先は、共通の知り合いからの紹介などではなく、Googleで検索して偶然見つけた研究室です。

研究室見学でとても良い印象を受けた教授でしたが、「もし指導に熱心じゃなかったら…」「実はすごく厳しい研究室だったら…」などの不安はどうしても拭えませんでした。自分の見る目を信じたかったですが、人生を預ける先と考えるとなかなか簡単には割り切れません。本当はもう一度見学をお願いして学生さんに話を聞きたいところですが、コロナ禍でそんなことはできず。

それでもどうしても心配でしたので、図々しくも「どなたか紹介してもらえませんか」と教授にメールすることにしました。今考えても本当に図々しいのですが、このときも再び、""社会人博士として二足の草鞋を履く人間たるもの、遠慮したらいかん"" と謎の勇気が湧いたのでした。

快く助教の方をご紹介いただき、Zoomで30分ほどお話しさせていただきました。結果的には、やっぱりここに進学しようと決意を新たにすることになったのでした。

 

やったこと7:Twitter開設

これはおまけです。でもとても重要でした。

情報系科目で完全にお手上げ状態だった私は、藁にもすがる思いでTwitterアカウントを開設し、疑問を投げ始めました。開設したてのアカウントに手取り足取り教えてくれる方が現れることは遂にありませんでしたが、同じ時期に院試準備をしていた方、社会人学生をされている方、眩しいほど優秀な方々を見て、大いに刺激を受けました。これからも続けていきます。フォロワーの皆さま、ぜひこれからも仲良くしてください。

 

おわりに

改めて振り返ってみてもやはりなかなかハードでしたし、乗り越えた自分をもう一度褒めてあげます。

とにかく悩み、期限に押されて勢いで決めたところも多々ありましたが、今のところこの選択をできて幸せだと思っています。これからも悔いのない人生を歩んでいきたいと思います。

前述の通り、院試・課程を乗り越えた沢山の先輩方のブログに本当に助けられたので、私もこのようにまとめてみました。いつか誰かの役に立ちますように。

 

 

 

私が社会人博士進学を決めるまで

社会人として働きながら博士後期課程に進学することを決めました。昨年夏に院試を何とか突破したところです。入学は2021年4月なので、半年ほどの猶予期間を過ごしています。

受験を決意するまで本当に本当に悩んで、今でも数日ごとに「本当にこの選択正しかったの?」と思い悩んでいます。それでも合格に至ることができたのはそれなりに強い信念があったからで、今後も100000万回は悩むであろう未来の自分が少しでも自信を持てるように、これまで考えたことや今考えていることを残しておこうと思いました。

ブログとして公開することにしたのは、同じように悩んでいる人が何かを感じたりするかもしれないと思ったのと、自分がちゃんと書ききるためです(自分だけが見るメモだとなかなか気力が湧かないから…)。

そんなに書くことあるかなーと思いつつ、いざ自分語りをしてみると筆が進むもので……。

 

自己紹介

まずは私について。

  • 社会人(多分まだ若手と言えるくらい…)
  • 製薬業界・医薬品開発
  • 首都圏の大学で修士を取得
  • 首都圏の大学(修士までと違うところ)に進学予定
  • 専攻:情報学

 

進学を決意するに至るまで

学生時代

当時からD進を考えていたかというと全くそんなことはなく。そもそも研究自体さほど面白いとは思っておらず。研究室の先輩や同期や後輩に遊んでもらいながらふわふわ過ごしていました。それなりに忙しい時期もあったものの大した悩みもなく、研究室生活自体はそれなりに楽しみました。

性格はそこそこ真面目なので、卒論・修論は比較的に力を入れて書きました。当時はウェット実験を行う機会も多く、終電近くまで粘ったりして。見よう見まねでドライ解析も何とかこなしてそれらしい結果が出て。「研究は結構がんばったかな」ってその頃は思っていました。

しかし私の場合、研究テーマは与えられたものでしたし、先輩の先行研究がありました。研究室で経験のない実験・解析も多少はあったものの、実験は専門の方や技術員さんの言うとおりに行い、解析はツールの使い方を最低限調べてとりあえず動いたから満足という状態。手あたり次第何かしらのツールを動かしてみて、出たものをそれらしく解釈するみたいな感じ*1

いつでも次やることは周りの人が教えてくれたので、「この研究を通して何を知りたいか」なんて考えたこともありませんでした。もっと言うと、「研究って結局何をするのか」全くわからないまま卒業しました。運良くあらゆる条件が重なって苦しまずやってこられたに過ぎないのですが、自分の力だと勘違いしていたんですね。

 

就活~入社~社会人になりたての頃

就活で志望したのは医薬品業界です。「修士じゃ医薬品メーカーの研究職は難しい」との噂を耳にして、開発職*2を中心に応募しました。運良く今の勤務先に早い段階で内定をもらい入社を決めました。

入社してから、進学が頭をよぎる最初のきっかけが訪れます。

最初に配属された部署はデータマネジメントでした。仕事内容はよくわからなかったし、興味もさほど持てなかった。まあ組織に所属する以上個人の希望が叶わないことなんかいくらでもあろうし、仕事を覚えれば面白くもなるだろうと思うものの、タイミングが悪かったのか仕事自体がそもそもなかったんです(本当に進行中の臨床試験がなかった)。

先輩や上司ともうまく関係を構築できず、私何がしたかったんだっけとぼんやり席に座る日々を過ごしました。やることもないし。先輩と話すのもなんか怖いしな。別に期待もされていないしな。そう思っているうちにいつしか、朝出社前に身体が動かない・家から出られない、という日が出てきました。前述の通り無駄に真面目な部分があるので、何もしていない状態への漠然とした不安があったのだと思います。これはまずいと。

でも、じゃあ私には何ができる?何がしたい?と改めて考えたとき、何も思いつきませんでした。ここで初めて、「専門性がなければ何もできない」と当たり前のことを思い始めました。

思い返せば、研究で当然のように使っていた手法だってその詳細を聞かれたら答えられなかった。研究の問題点だって指摘されても笑って誤魔化して解決策なんか考えようとも思わなかった。研究室で過ごした3年間、まじで何も考えていなかった。そしてようやく「今までの人生それなりにやってきたつもりだったけど、私には何もない」と実感し始めるのでした。これはちょっと胸にずしっと来ました。

 

社会人2年目くらいから

結局、解析をする部署に異動させてもらいました。「一応情報系の出身だし、そっち寄りの仕事なら少しくらい役に立てるんじゃないかな」と期待を抱きつつ。

実際、臨床開発の仕事は非情報系から入る人が多いので、ほんの少し経験があった私は少し早めに馴染めたかなと思います。面倒見の良い上司に恵まれたことも非常に大きかった。 ちょっと自尊心が回復しました*3

でも「私には何もない」という思いはもう頭から離れません。実際、仕様通りにプログラムを書くとか手順通りに品質管理する等の決められたプロセスはできるけれど、それ以上のことは何も思い浮かばない。今目の前にある仕事の歴史や背景だって気にならない。

人が質問していると「なぜ私は思いつかないのだろう」と思うし、勇気を出して質問すると「なんてくだらない質問だったのだろう」と思う。

みんな優秀なのに、私は、私は、、、、と追い詰められて行きました。

そんな時、少しでもわかることを増やしたくて、統計学を勉強し始めました。

するとどうでしょう。学生時代に受けた授業で全くわからなかったことがわかるようになり、研究手法の背後にあった原理に気づき、視界が開けるようでした。「こんなことも知らずによく研究できていたな???」と首をひねりながらも、ほんの少し自信につながってくるのを感じました。私だって、やればもう少しできるんじゃないか?もしこのままやらない選択をしたら。何もない自分で生き続けることに耐えられるだろうか。

 

受験を決意

もう一度研究をやりたいと、進学を意識し始めました。研究室を調べ、入試説明会に参加し始めます。社内のPh.D.取得者の方々に声をかけて、何人かの方とお話させていただいたりもしました。

進学したい気持ちは強まるものの、そう簡単に決められるものではなく…

「特別頭が良いわけでもない自分が博士号を取れるのか?」

「最低でも3年間、きっと5年近くかかるがやり遂げられるか?」

「やり遂げられるほどの情熱が本当に自分にあるか?」

「子供は産めるのか?(そもそも結婚できるか?)」

迷いに迷いました。そんなにすぐ研究室なんか決められないし。やっぱりやめておこうかな。しかし最終的に、偶然お話させていただいた社内の方に背中を押されて奮い立ちます。勢いで再び研究室見学を申し込みました。幸運なことにその連絡を取った教授が非常に感じの良い方で、やりたい研究分野もマッチしておりました。

それでも迷いました。でも、今受けなかったら一生コンプレックスや後悔とともに生きていくのではないかと怖かった。自分の性格上、もしやらない選択をしたとき「あのときやっていたら自分の人生は違っていたのではないか」といつまでも考え続けてしまうことが目に見えていました。

失敗したら何を失うか考えました。数年単位の時間は確実に失うけれど、学びに費やす時間は無駄ではない。お付き合いしているパートナーに見限られる可能性は怖かったですが、(本当に幸いなことに)後押ししてくれています。少なくはないお金を失うけれど、社会人なら安定した収入があるし……親にも心配されるだろうけど、私の人生だし……と、うじうじと考えた挙句、「いざとなったらやめればいいか!!!」と急に楽観的になり受験を決意するのでした。

自分を突き動かしているのはあまりに強すぎる劣等感なのかもしれないな、という悲しい現実に気付き始めましたが、目をつむりました。

 

受験まで

受験勉強は、当然ながら大変でした。時間があれば、受験までにやったことをテーマに別の記事にまとめたいと思っています。

 

(2021/4/15更新: 書きました)

mritsm.hatenablog.com

 

読んでいただきありがとうございました。

 

 

*1:お察しの通り、一番やっちゃダメな方向にわき目も振らず突き進んでいました

*2:ざっくり言うと、研究職は薬のタネを見つける人たち、開発職は薬のタネを製品にする人たちです

*3:上手くいくとすぐ調子に乗ります